理事長からのごあいさつ

葬儀のプロデュースや司会を担当する際、「遺族」と呼ばれることになってしまわれた「ご家族」からそれぞれの「心残り」を拝聴するのも重要ですが、故人の「心残り」について考えることも、私たちの仕事において大切なことなのではないでしょうか。司会進行のシナリオで「ご入院を余儀なくされて壮絶な闘病生活を過ごされた病室で、白い天井に思い浮かばれ去来されたことはどんなことだったのでしょうか?」と問い掛けるも、自身が大病を患って入院体験をしたことによって、その意味の深さを初めて学ぶこととなりました。
30年ほど前から、葬儀社団体や宗教団体への講演の際に問題提起していた数々の予見において、今日、私たちの業界を取り巻く“問題”として現実のものとなってしまったことは皮肉な巡り合わせと感じざるをえません。21世紀を迎えるにあたり、高齢社会の到来から成長産業として着目された葬祭業ですが、「完全な斜陽産業である」と予見した背景には「お互い様感情の稀薄」を実際の葬儀の現場で嫌と言うほど感じていたからでしょう。核家族の時代になり、他府県に在住するお子様達が、様々な理由でお孫様を参列させない寂しい「家族葬」の現実。最近の新聞やテレビのニュースには昔では考えられない陰湿で理解に苦しむ事件報道が多く、それらは我々日本人の宗教観の稀薄もさることながら、「命の伝達」という葬儀の意義の軽視も少なからず影響を及ぼしているのではと感じずにはいられません。画一化された「サービス」の中で、失われかけている『葬儀の意義』を今一度見つめ直し、「人が人を送る原点」を探求するために結束した理念集団。それが日本トータライフ協会です。

日本トータライフ協会 理事長
久世 栄三郎

久世 栄三郎プロフィール

久世栄三郎

大阪高級葬儀株式会社 代表取締役会長
日本トータライフ協会 理事長

テレビ番組出演時に「日本一の司会者」として紹介されるなど、葬儀司会として草分け的な存在。バンケットなどの空間の厳かな儀式空間へと神変化させる独自の司会術により多くの著名ホテル葬プロデュースを担当。
北は北海道から南は九州まで、多くの財界人の社葬を担当した経緯から全国に幅広い人脈を有する。
1998年、「葬儀を通じての社会への恩返し」「社会に歓迎される葬儀とは」を基本理念とした非営利団体『日本トータライフ協会』を設立し、その理事長に就任。
2000年、日本初のオリジナル葬送ブランド「慈曲葬」を発表。
現在、全国への講演活動を積極的に行いながら、自身のブログやメディア出演を通じて、葬儀の在り方や命の大切さを伝承。
  
著書に「お葬式はハプニングにのってー葬儀屋日記」「葬儀屋・七万歩才あの世の旅」など。